
【技人国or特定技能】宿泊業で雇用できる4つの外国人の在留資格まとめ
訪日外国人の増加に伴い、日本の宿泊業界(ホテル・旅館)では多様化するニーズに対応する必要性が高まっています。多言語での対応や異文化理解・ホスピタリティの向上を図るために、外国人労働者の重要性は年々増しており、その雇用には適切な在留資格の理解が求められます。
この記事では宿泊業において雇用可能な外国人の在留資格について詳しく解説し、技人国や特定技能を中心にそれぞれの資格がどのような要件と特徴を持っているのかをご紹介します。
宿泊業界における在留資格の種類
宿泊業界で外国籍人材が就労できる主な在留資格は、現在、以下の4種類があります。
技術・人文知識・国際業務(技人国)
特定技能
技能実習
留学
それぞれの在留資格の取得要件や詳細について、確認してみましょう。
技術・人文知識・国際業務(技人国)
在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、通称「技人国(ぎじんこく)」と呼ばれ、外国籍人材が母国または日本の大学等で修得した知識や、特定の分野での10年以上の実務経験を活かして従事する業務に就く場合などに取得できる資格です。
従事可能な業務と期間
このビザを取得する上で最も重要なのは、職務内容が在留資格の適用範囲内であることです。
例えば、ホテル業務の場合、専門的な知識や語学力を要するフロント業務、施設案内業務、マーケティング業務などは適用対象となります。
一方で、飲食店のホールスタッフや清掃スタッフなど、特別な専門性を必要としない単純労働に該当する業務は、適用範囲外となります。
そのため、企業側は、採用する外国籍人材の職務内容がビザの範囲内であるかどうかを事前に厳しく確認しておくことが不可欠です。
また、「技人国」ビザの審査においては、大学等での専攻内容と従事する業務との間に関連性が認められることも重要視されます。関連性が認められない場合や、業務内容に十分な専門性・継続性がないと判断された場合、不許可となる可能性が高まります。
※在留資格「技人国」をわかりやすく解説した過去コラムも是非、ご一読ください。
特定技能
2019年に創設された在留資格「特定技能」は、特に人手不足が深刻な12分野に対応するために設けられました(現在は16分野に拡大)。この制度により、宿泊業界においても外国籍人材の受け入れが可能となり、多くの労働者が就労の機会を得ています。
特定技能には1号と2号がありますが、宿泊業で主に活用されているのは特定技能1号です。この資格は、特定の技能と日常会話レベルの日本語能力を要件としており、職場への迅速な適応が期待されます。
従事可能な業務と期間
特定技能1号の資格を持つ外国人労働者は、宿泊施設におけるフロント業務、顧客対応、清掃管理など、幅広い業務に従事できます。
この資格による就労は最長5年間可能であり、多様な業務経験を積むことができます。
その後、必要な条件(熟練した技能等)を満たせば、特定技能2号への移行が可能です。これにより、企業は長期的視点での人材育成や雇用計画を構築することができます。
企業に求められる支援体制
企業が特定技能制度を活用する際は、労働者が快適に働けるよう、以下の体制を確立することが求められます。
雇用条件の明確化
生活基盤となる支援体制の確立(例:入国時の送迎、生活に関する相談窓口の設置など)
外国人労働者が安心して日本での生活に馴染めるよう継続的にサポートすることは極めて重要です。これにより、労働者は職場で最大限に活力を発揮でき、企業はその力を最大限に引き出し、持続的な成長へとつなげることができます。
※宿泊分野における特定技能2号への移行については、下記のコラムで詳しく説明しています。
技能実習
在留資格「技能実習」制度は、開発途上地域等への技能等の移転を通じた国際貢献を主な目的として制定されています。外国人技能実習生は、日本国内での実務を通じて、特定の分野における技能取得を促進します。この制度は、宿泊業界も対象としています。
従事可能な業務と期間
この制度の大きな特徴は、実習内容が法律で厳密に規定されている点です。受け入れ企業は、実習生が行う業務を詳細に計画し、その計画に基づいた教育指導を提供する義務があります。
宿泊業においては、フロント業務のサポート指導、客室清掃、調理補助などが主な実習内容として挙げられます。これらの業務は、技能実習計画に基づき行われます。
技能実習の期間は、最大5年間です(1号、2号、3号の段階を経て)。実習生は段階的に技能を習得し、各段階を修了するためには評価試験に合格する必要があります。
企業に求められる支援体制
実習生が日本で技能実習に集中し、快適に生活できるようにするためには、企業による文化的なサポートや生活援助が重要な役割を果たします。企業側には、こうした支援を通じて、実習生が高いモチベーションを持ち続け、円滑に実習が行える環境を作り出すことが期待されています。
制度の移行:育成就労制度へ
現在、技能実習制度は、人材の確保と育成を目的とした「育成就労制度」への移行が検討されています。この新しい制度では、従来の技術移転に加え、外国籍人材がより円滑に特定技能などの他の在留資格へ移行できる仕組みが導入される見込みです。企業は、今後の制度変更についても注視し、対応していくことが求められます。
※育成就労制度の基本的な概要や留意すべき点について、詳しく説明しています。
留学
宿泊業界では、外国人留学生をアルバイトとして雇用し、多様な業務に従事させることができます。
ほとんどの留学生は「留学」の在留資格を所有しており、資格外活動許可を事前に取得することで、週28時間以内という制限のもとで就労が可能です。これは、留学生が日本で実践的な経験を積む良い機会となります。
ホテルや旅館における接客業務やフロントデスクでの実務は、留学生の言語スキルやコミュニケーション能力を伸ばす一助となるだけでなく、彼ら自身のキャリア形成にも大きく貢献します。
企業側は、留学生の労働時間や活動内容が法令を遵守しているかを厳しく管理することが求められます。
※留学生の採用における注意点などは、下記コラムを参考にしてください。
技人国と特定技能の違い

次に、在留資格「技術・人文知識・国際業務(技人国)」と「特定技能」の主な違いについて見ていきましょう。
1. より幅広い業務に従事できるのは?
「技人国」は、高度な専門知識や技能を必要とする業務に対して発給されるビザであり、単純作業を主とする業務は、このビザの目的に沿わないとされています。そのため、単純作業にも従事できる特定技能の方が幅広い業務を担当することができます。
2. 在留期間に制限があるのは?
技人国は在留期間に上限はなく、要件を満たし続ければ、更新を続けることができます。一方で、特定技能1号には通算5年という上限があります。
3. 支援が必要なのは?
技人国人材に対して、特別な支援を実施する義務はありません。一方で、特定技能人材に対しては、受け入れ機関や登録支援機関が支援を行う義務があります。
日本での生活や労働環境にまだ慣れていない場合が多いため、適切な支援が行われることで、以下のような効果が期待できます。
特定技能外国人が長期間安定して働ける環境の構築
企業と特定技能外国人双方のトラブル防止
日本社会へのスムーズな適応
※宿泊業界における「技人国」と「特定技能」の違いについて、下記コラムで詳しく解説しております。
まとめ
宿泊業界における外国籍人材の雇用は、人手不足解消と国際的なサービス品質の維持・向上に不可欠な戦略です。本コラムで解説した通り、外国籍人材の主な在留資格である「技人国」「特定技能」「技能実習」「留学」は、それぞれ従事可能な業務や期間などに明確な違いがあります。
特に、「技人国」が高度な専門業務に限定される一方、「特定技能」は現場の幅広い業務を担えるという違いは、人員配置計画を立てる上で最も重要です。また、特定技能や技能実習では、企業側に法的な支援義務があることも忘れてはなりません。
外国籍人材を長期的な戦力として迎え入れ、企業と労働者双方にとって実りある雇用を実現するためにも、各在留資格のルールを正しく理解し、法令を遵守した適切な採用・管理を進めていきましょう。
KosaidoGlobalは東証プライム上場企業である広済堂グループが提供する、外国人労働者の人材紹介サービス・登録支援機関です。アジア11カ国の送り出し機関と提携し、日本国内の企業様に「特定技能」「技人国」を中心とした優秀な人材をご紹介するとともに、人材の活躍や定着に向けた手厚いフォローも提供します。
《KosaidoGlobalの強み》
1,全国47都道府県すべての企業に対応
2,介護、外食、宿泊…多岐にわたる業界で取引実績あり
3,現地で人材を教育してから入社をさせるため即戦力として期待できる
外国籍人材の採用をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
※弊社をご利用いただいた企業様の成功事例も是非、ご覧ください。

