
雇う際の注意点付き!特定技能と技人国の違いを徹底解説
日本は現在、深刻な人口減少と高齢化の問題に直面しており、多くの産業で労働力不足が顕著です。これに対処するために、日本政府は外国人労働者の受け入れを促進する政策を進めています。その中でも特に注目されているのが「特定技能」と「技術・人文知識・国際業務(技人国)」という2つの在留資格です。これらの資格は、さまざまな国籍やスキルを持つ人材を受け入れるための枠組みとなっています。
しかし、「特定技能」と「技人国」にはそれぞれ異なる要件や特徴があるため、これらを正確に理解しないと、企業と外国人労働者の双方にとって不利益をもたらす可能性があります。
本記事では、これらの在留資格について詳しく解説し、それぞれの特徴や取得要件、雇用時の注意点について紹介します。
在留資格(就労ビザ)とは?
在留資格(就労ビザ)は、日本に滞在する外国人が行う活動内容を法律上許可するための資格です。日本では約30種類の在留資格があり、それぞれ活動内容や就労の可否が細かく規定されています。就労ビザに該当するものは主に次の通りです。
就労ビザの種類
■専門的・技術的業務: 技術・人文知識・国際業務、高度専門職など
■技能的業務: 特定技能、技能
■その他の業務: 経営・管理、芸術、宗教、報道など
日本における外国人雇用は、労働基準法だけでなく、入管法の規定に基づいて行われます。これは、日本の労働市場を守りつつ、外国人が合法的かつ適切に働ける環境を整えるためです。
特定技能とは
特定技能は、日本政府が2019年に新設した在留資格です。慢性的な人手不足が続く産業分野で外国人労働者を受け入れることを目的としており、学歴を問わず一定の技能と日本語能力を持つ人が対象です。
日本では少子化による労働力不足が深刻化しており、特に建設業、介護、農業、外食業、宿泊業など、労働集約型産業での人材確保が難しくなっています。特定技能制度は、このような課題を解決するための政策の一環です。
データからみる業種別の人材充足状況
2025年度には約243万人の介護職員が必要とされていますが、2019年度の実績は約211万人であり約32万人の不足が見込まれています。
出典:「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」厚生労働省
帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月)」によると、ホテル・宿泊関連の企業のうち、約6割以上の企業が正社員の人手不足を感じており、また外食業においては、64.3%の企業が非正社員の「不足」を感じています。
出典:「人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月)」帝国データバンク
特定技能1号と2号
特定技能には、「特定技能1号」と「特定技能2号」があります。
これらの違いについては、以下の記事で徹底解説しておりますので併せてご覧ください。
特定技能の対象分野
特定技能における対象は16分野になります。

特定技能資格取得の要件
技能試験
各分野で設定された技能試験に合格する必要があります。試験内容は業界ごとに異なり、実技試験が含まれる場合もあります。
日本語能力試験
日常会話が可能な日本語能力が求められます(JLPT N4以上が基準)。
※試験の概要を知りたい方は下記コラムをチェックしましょう!
雇用契約
特定技能資格で働く外国人は、日本の企業や団体と正式な雇用契約を結ぶ必要があります。
※特定技能制度に関して、さらに詳細を知りたい方は、下記コラムを是非ご一読ください。
技術・人文知識・国際業務(技人国)とは
技術・人文知識・国際業務(技人国)は、オフィス業務や専門知識を活用した職務に就く外国人を対象とする在留資格です。この資格は、専門性が高く、日本の労働市場において重要な役割を果たす職種に適用されます。
技人国の対象分野
技術分野
理学や工学など自然科学分野の知識を活かした業務が対象で、製造業やIT分野での専門性が求められます。主な職種例として、システムエンジニア、プログラマー、製品設計技術者などがあります。
人文知識分野
法律や経済、社会学などの知識を活かした業務が対象です。経営企画、経理、貿易事務、マーケティング支援など、企業運営を支える人材が多く採用されています。
国際業務分野
外国文化や多文化理解を必要とする業務が対象で、語学教師、通訳、翻訳、デザイナー、海外取引担当などが挙げられます。母国文化や言語の知識を活かし、国際事業を支援します。
技人国の取得条件
学歴
関連分野での大学卒業資格が求められます。
例: ITエンジニアの場合、情報工学やコンピュータサイエンスの学位が必要。
職務経験
学歴がない場合、10年以上の関連分野での実務経験が必要です。
職務内容の関連性
学歴や職務経験が、申請する職務内容と一致している必要があります。
技人国の特徴
在留期間
3か月から5年の範囲で許可され、更新が可能です。
家族帯同
配偶者や子供を帯同することができます。
高度専門職への移行
技人国での実績を積むことで、高度専門職へ移行するチャンスがあります。
特定技能と技人国の比較
以下の表は、特定技能と技人国の主な違いをまとめたものです。

※技術・人文知識・国際業務(技人国)に関して、さらに詳細を知りたい方は、下記コラムを是非ご一読ください。
特定技能で雇用する際の注意点
在留資格の確認
雇用する外国人が特定技能1号または2号に該当するかを確認します。
法令遵守
日本人と同等以上の賃金を保証し、労働基準法を遵守します。
支援計画の作成
特定技能1号の外国人を雇用する企業には、支援計画の作成と実施が義務付けられています。この支援計画では、具体的に以下の内容が盛り込まれる必要があります。
1. 事前ガイダンスの提供
外国人が日本で働く前に、労働条件や生活環境について丁寧に説明します。
例:給与や労働時間、休日、住居環境の概要など。
2. 出入国時の送迎
日本に初めて来る外国人がスムーズに移動できるよう、空港などへの送迎を手配します。また、帰国時にも同様のサポートを提供します。
3. 住居確保支援
外国人が安心して生活を始められるよう、住居探しを支援します。
また、賃貸契約や電気・水道など生活に必要な契約の手続きもサポートします。
4. 日本語学習支援
職場での円滑なコミュニケーションを促進するため、外国人が日本語を学べる環境を提供します。
例:日本語教室の案内
5. 生活オリエンテーション
日本での生活に必要な知識をわかりやすく説明します。
例:ゴミの分別方法、交通機関の利用方法、地域ルールやマナー
6. 公的手続きの同行
外国人が日本での生活をスタートする際、以下のような公的手続きへの同行や支援を行います。
例:住民登録、健康保険加入、銀行口座の開設
7. 相談窓口の設置
外国人が仕事や生活の中で直面する悩みや問題に対応できる相談窓口を用意します。
8. 日本人との交流促進
職場や地域社会での日本人との交流を促し、外国人が孤立しないようサポートします。
例:職場の懇親会の実施、地域イベントへの参加支援
9. 転職支援(人員整理などの場合)
受け入れ側の都合により雇用契約を解除する場合の転職先を探す手伝いや、推薦状の作成などに加え、求職活動を行うための有給休暇の付与や必要な行政手続きの情報を提供します。
10. 定期的な面談
支援責任者などが外国人及びその上司などと定期的(3か月に1回以上)に面談し、労働基準法違反などがあれば通報します。
これらの支援項目を適切に実行することで、外国人材が安心して日本で働き、生活できる環境を整えることができます。また、企業にとっても外国人材の定着率向上や業務の効率化につながる重要な取り組みです。企業は、計画を作成するだけでなく、実施状況をしっかりと管理し、必要に応じて改善を行う責任があります。
登録支援機関への委託
支援計画を自社で対応できない場合、登録支援機関に委託することが可能です。登録支援機関とは、出入国在留管理庁に認可され、外国人支援に関する専門的な知識や経験を持つ機関です。義務的支援の一部または全部を、登録支援機関に委託することが可能です。
登録支援機関に委託するメリット
1.専門性の活用:外国人雇用における専門的な知識やネットワークを活用できる
2. 時間とリソースの節約:企業が直接行う手間を省き、業務に集中できる
3. トラブル対応の効率化:支援機関が迅速かつ適切に対応することで、リスクを軽減
委託費用と留意点
登録支援機関に委託する際は費用が発生しますが、適切な支援を提供することで、長期的にみれば採用した外国人の定着率が向上し、コストパフォーマンスが高まる場合があります。また、以下の点にも留意する必要があります。
• 支援内容と費用を明確に確認する
• 委託後も企業側が基本的なサポート責任を負うことを理解する
• 信頼できる登録支援機関を選ぶ
※登録支援機関を選ぶ際のポイントなどを解説しています。是非ご一読ください。
技人国で雇用する際の注意点
職務内容の適合性
技人国では、職務内容が学歴や実務経験と密接に関連していることが求められます。例えば、外国人が大学で専攻した学問分野と雇用する業務内容が一致している必要があります。ITを専攻した人をシステムエンジニアとして雇うのは適切ですが、専攻と無関係な分野での雇用は不適切と判断される可能性があります。これに違反すると在留資格変更や更新が認められない場合があります。入管に提出する業務内容の説明書類を明確に作成することが重要です。
単純労働の禁止
技人国では単純労働が禁止されています。例えば、商品の棚卸や清掃といった単純作業を業務に含めることは資格外活動に該当する可能性があります。そのため、雇用契約時に業務内容を明確に設計し、実際の業務が資格要件を満たす専門的な内容であることを保証する必要があります。また、業務内容が変わった場合には、速やかに入管に相談することが求められます。
高度専門職への移行可能性
技人国で働く外国人は、一定の条件を満たすことで高度専門職の在留資格へ移行することが可能です。高度専門職は、永住権の取得要件が緩和されるなどのメリットがあるため、長期的なキャリア形成を支援する観点からも、この移行を視野に入れることが有効です。雇用主は、対象者のスキルアップを支援するために研修やスキル開発の機会を提供することで、企業内での成長を促し、長期的な雇用関係を築くことが期待されます。
まとめ
「特定技能」と「技術・人文知識・国際業務(技人国)」は、日本で働きたい外国人と、外国人を雇用したい企業にとって重要な選択肢です。これらの資格の要件や特徴を正しく理解することで、企業は適切な人材を確保し、外国人労働者は日本で安心して働くことができます。
日本が国際社会において競争力を維持するためには、多様な人材を効果的に活用することが求められています。特定技能と技人国の制度を正しく運用し、外国人労働者が日本でより良い環境で働けるような仕組みを整えることが、これからの鍵となるでしょう。
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