
【特定技能】外食 | 人事部必見!特定技能「外食」の活用方法と採用時の注意点とは
日本の外食業界は、少子高齢化による深刻な労働者不足に直面しています。この課題を解決するため、2019年に創設された特定技能「外食」在留資格制度は、外国人労働者の受け入れを可能にしました。
この制度により、レストランや居酒屋、ホテル内レストランでの調理や接客、店舗管理業務など、幅広い職種で外国人が働けるようになりました。特定技能「外食」の導入により、業界の人手不足解消が期待されていますが、外国人材を受け入れる際にはいくつかの注意点があります。本記事では、特定技能「外食」の仕組みや活用方法、導入時のポイントについて解説します。
特定技能「外食」とは?
特定技能制度は2019年に創設され、「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があります。
特定技能「外食」は、外国人労働者を受け入れることで、日本の外食業界が抱える人手不足を解消するための制度です。また、訪日観光客の増加に伴う顧客ニーズの変化に対応する目的もあります。
本制度は、レストランや居酒屋などにおける調理や接客、店舗管理業務に従事できる外国人を対象としていますが、コンビニエンスストア業種は対象外です。
特定技能「外食」を取り巻く飲食業界の背景
日本の外食産業は深刻な人手不足に直面しています。2025年5月に農林水産省が発表したデータによると、外食業を含む「宿泊業、飲食サービス業」の欠員率は、4.4%と高水準にあり、全産業計(2.9%)の約1.5倍の水準となっています。
外食業に従事する多くの外国人労働者は、永住者等を除くと、ほとんどが「専門的・技術的分野」又は「留学生」のアルバイトです。彼らは就労時間に制限があり、十分な対応が難しい状況です。
これに対処するため、特定技能「外食」が注目されています。
(参照)農林水産省│外食業分野における特定技能外国人制度について
特定技能「外食」を持つ外国籍人材が増加
特定技能「外食」分野の外国人労働者数は急増しています。2023年12月末時点で13,312人に達し、前年比で約2.5倍の増加となりました。この急成長の背景には、新型コロナウイルスの影響で一時的に制限されていた飲食店の営業再開や、国内の留学生減少によるアルバイト採用難が影響していると予測されています。
その後も需要はさらに高まり、2025年6月末時点では36,281人と、特定技能人材全体の約1割を占めるまでに増加しています。今後も外食業の需要は高まり続けると見込まれるため、特定技能外国人の採用による人手確保がますます重要になります。
(参照)出入国在留管理庁│特定技能制度運用状況(令和7年6月末)
特定技能「外食」で雇用可能な業種・業務・雇用形態
次に、特定技能「外食」で雇用可能な業種や業務内容、雇用形態について解説します。
業種
特定技能「外食」の対象業種には、食堂、レストラン、料理店、喫茶店、ファーストフード店などの一般的な外食業に加え、テイクアウト専門店、フードデリバリー、仕出し料理店、弁当屋なども含まれます。
フードデリバリーのみの業務に従事してはいけない?
特定技能「外食」の外国籍人材は、調理や接客等の主要業務と合わせてデリバリー業務を行うことは可能ですが、デリバリー業務のみに従事させることはできません。
したがって、デリバリー業務は、必ず他の業務と組み合わせて行う必要があります。
ホテル内のレストランで働くことはできる?
ホテルなどの宿泊施設内にある飲食部門では、調理、配膳、接客業務に従事することが可能です。
具体的には、料理の配膳、盛り付け、食器洗浄、テーブルセッティングなどが含まれます。
ただし、ホテルのフロント業務やベッドメイキングなどの飲食部門以外の業務には従事できません。そのため、ホテル業務全般を担当してもらいたい場合は、特定技能「宿泊」分野に該当する外国人を採用する必要があります。
業務内容
特定技能「外食」の外国籍人材は、飲食物の調理、接客、店舗管理、原材料の仕入れ、配達など、外食業全般の業務に従事できます。
ただし、病院の給食施設勤務は可能ですが、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく接待業務は禁止されています。
彼らは、観光地などでの接客において、多言語対応や異文化理解を活かしたきめ細やかなサービス提供にも貢献します。
雇用形態
特定技能「外食」における外国人材の雇用形態は直接雇用のみであり、派遣形態や日雇いでの雇用は認められていません。
雇用条件としては、日本人と同等以上の待遇であるフルタイム勤務が前提であり、週所定労働時間30時間以上の労働が求められます。
違法な雇用形態や風営法に基づく接待業務を行わせた場合、企業に罰則が科される可能性がありますので、厳重にご注意ください。
(出典)農林水産省│外食業分野における外国人材の受入れについて
特定技能「外食」の取得要件と方法
特定技能「外食」の在留資格を取得するには、「日本語能力試験」と「外食業特定技能1号技能測定試験」に合格する必要があります。
日本語能力試験
特定技能「外食」の外国人材に求められる日本語能力は、日本語能力試験(JLPT)または国際交流基金日本語基礎試験(JFT-Basic)のいずれかで測定されます。
合格基準は、試験を受ける場所(国内外)によって以下の通り異なります。
国内受験者: JLPT N4レベル以上の合格が必要です。
国外受験者: JLPT N4レベル以上、またはJFT-Basic A2レベル以上の合格が必要です。
※日本語能力試験(JLPT)の各レベルや例題について、解説したコラムはこちらです。
外食業特定技能1号技能測定試験
特定技能「外食」の技能測定試験は、国内外で年に3回程度開催されます。
開催地域については、国内では10都市以上、海外ではインド、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ネパール、ミャンマー、カンボジア、タイ、スリランカなどで実施されています。
(出典)一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)│特定技能1号・2号技能測定試験
試験科目は「学科試験」と「実技試験」
試験科目は「学科試験」と「実技試験」の2つで構成されています。
学科試験では外食業務に必要な知識(衛生管理など)が、実技試験では判断等試験(正しい行動の選択)と作業試験(作業計画の立案)の能力が問われます。
1. 学科試験
衛生管理や飲食物調理、接客全般の仕事で必要な日本語能力の試験です。

2.実技試験
実技試験は「判断試験」と「計画立案」の2つの試験があります。判断試験は図やイラストを見て、正しい行動がどれかを選択します。計画立案は、計算式を使って作業計画を作れるかどうかが問われます。

(出典)一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)│外食業特定技能1号技能測定試験国内試験案内(2024年4月以降適用)
2号に移行するためには…
特定技能1号から2号へ移行するためには、「日本語能力試験(N3以上)」と「外食業特定技能2号技能測定試験」の2つの試験の合格が必要です。さらに、外食産業分野における店舗管理など特定の業務を経験していることが必須となります。
※外食分野における特定技能2号取得の流れについては、下記コラムで解説しています。
受け入れ企業側の注意点
特定技能「外食」を活用して外国人材を受け入れる企業は、一定の要件を満たす必要があります。
食品産業特定技能協議会への加入
特定技能「外食」の外国人材を雇用する受け入れ企業は、原則として「食品産業特定技能協議会」への加入が義務付けられています。
この協議会は農林水産省が運営しており、構成員間での情報共有、法令遵守の啓発、および受け入れ状況の把握などを主な目的としています。
協議会への加入は、特定技能外国人材の雇用を開始してから4か月以内に行う必要があります。
なお、現在、入会金や会費は設定されていません(無料です)。
(参照)農林水産省│食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)について
賃金は日本人と同等以上にする
特定技能で雇用する外国人材の報酬は、日本人と同等以上であることが義務付けられています。
例えば、同一の業務に従事する日本人と外国人材に対し、合理的な理由なく報酬に差を設けることは禁止されています。
また、報酬以外の福利厚生を含むその他の待遇についても、日本人と同等であることが求められます。
なお、外国人材の報酬や待遇については、出入国在留管理庁によって定期的な確認(監査)が行われます。
※下記コラムを読んで、賃金に関する基礎知識を押さえておきましょう。
接待飲食等営業関係で就労させない
特定技能「外食」の外国人材は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に定める接待飲食等営業での就労が禁止されています。
この規定は、健全な労働環境の確保と、特定技能の本来の目的(外食業の人手不足解消)を逸脱しないようにすることを目的としています。
具体的には、キャバレーやクラブなど、接待行為を伴う飲食店での就労が禁止されており、これらは違法行為として警察による摘発の対象となります。
また、一般的な飲食店においても、歓楽的な雰囲気で客をもてなす行為、例えば、特定技能外国人自らがバーのようにお酒を注ぐ行為などは、接待行為とみなされ禁止されます。
なお、『特定遊興飲食業』(クラブやディスコなど)は、風営法上の接待飲食等営業とは別の規制であるため、特定技能の就労可否の判断には注意が必要です。
特定技能外国人を雇用する流れ
ここからは、特定技能外国人を雇用する流れについて解説します。
1. 「特定技能雇用契約」締結
企業は面接などを通じて採用する外国籍人材を決定し、その後「特定技能雇用契約」を結びます。契約内容を外国籍人材に正確に伝えるため、母国語など本人が十分に理解できる言語で説明し、理解の確認を行うことが重要です。
2. 「特定技能外国人支援計画」策定
「特定技能外国人支援計画」は、受け入れ企業が外国籍人材の業務の円滑な遂行や日常生活を支援するために策定する計画です。策定した支援計画書は外国人本人に交付し、「十分に理解した」という署名をもらう必要があります。そのため、計画内容は外国人本人が理解できる言語で説明することが求められます。
3. 事前ガイダンス実施・健康診断
企業は外国籍人材に対して、対面またはオンラインの双方向で事前ガイダンスを実施し、合わせて健康診断を行います。これは特定技能外国人支援計画に含まれる支援の一つであり、書面のみでの実施は認められていません。ガイダンスでは、業務内容や報酬額などの労働条件、活動内容、日本での入国や在留資格変更に必要な手続きなどについて説明します。
4. 在留資格申請
企業は特定技能「外食」の在留資格認定証明書交付申請書を、管轄の出入国在留管理庁(または地方出入国在留管理官署)に提出します。申請には、健康診断の診断書をはじめ、以下の書類(写し)が必要となります。
・申請書
・技能水準および日本語能力水準に関する書類
・労働条件に関する書類
・労働保険・社会保険・税に関する書類
・外国人材の支援に関する書類
申請には1〜3ヶ月程度の審査期間がかかるため、スケジュールを逆算して早めに申請を行い、書類の不備がないか丁寧に確認することを推奨いたします。
5. 「在留資格認定証明書」郵送
審査完了後、「在留資格認定証明書」が交付されます。企業はこの証明書を海外にいる外国人材本人へ郵送または電子メールで転送します。
6. 外国籍人材(特定技能者本人)が現地で査証(ビザ)申請
外国籍人材は「在留資格認定証明書」を現地の日本大使館などに提出し、査証(ビザ)を申請して受け取ります。
7. 外国籍人材が来日し、就労開始
外国籍人材は、査証(ビザ)と在留資格認定証明書を持って来日し、特定技能(外食業)の在留資格で入国審査を通過した後、就労を開始します。なお、在留資格認定証明書の有効期限は発行から3か月以内です。
特定技能「外食」と技人国・留学生アルバイトの違い
さて、ここまで特定技能「外食」について説明してきましたが、飲食店で外国籍人材が就労可能な在留資格は他にも存在します。
外国籍人材を飲食店で雇用する際の主な在留資格(ビザ)は、以下の3種類です。
特定技能「外食」
技術・人文知識・国際業務(技人国)
留学 ※資格外活動の許可を得ている場合

技術・人文知識・国際業務(技人国)
「技術・人文知識・国際業務」(技人国)の在留資格は、ホールやキッチン業務であっても、単純作業を主たる業務とする就労には認められていません。
これは、技人国が、専門的・技術的な知識やスキルを活かした業務を目的とする在留資格であるためです。
そのため、調理補助やホールでの接客といった単純作業を主たる業務として担当してもらいたい場合は、特定技能「外食」が適しています。
※技人国について基本的な情報、取得要件、留意点など深く解説しています。
留学 ※資格外活動の許可を得ている場合
外国人留学生が資格外活動許可を得てアルバイトをする場合、原則として週28時間までの労働が認められますが、風俗営業等に関連する業務への従事は禁止されています。
また、在留資格が「留学」である間も、アルバイト(資格外活動)が認められるのは教育機関に在籍している期間のみに限られます。
したがって、学校を退学した場合や、卒業後に教育機関に籍がなくなった場合、在留資格が「留学」のままであってもアルバイトはできなくなります。
※在留資格「留学」にクローズアップしたコラムも是非、ご一読ください。
まとめ
特定技能「外食」は、人手不足解消と多様化する顧客ニーズに対応するための重要な在留資格です。本コラムでは、その急激な増加の背景や、食堂、レストランからフードデリバリーまで広い業種をカバーする業務範囲、そして直接雇用や日本人と同等以上の待遇といった雇用ルールを解説しました。
また、専門業務が目的の「技人国」や時間制限のある「資格外活動」と異なり、特定技能は長期的な安定雇用に最も適していると思われます。この制度を正しく理解し、法令を遵守した上で、貴社の人材戦略にぜひお役立てください。
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