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【2026年最新】特定技能「介護」とは?  ― 受け入れ要件・採用の流れ・定着ポイントを徹底解説

特定技能「介護」とはどのような制度なのか、受け入れ要件や採用の流れが分からないという声は少なくありません。とくに初めて外国人介護人材を受け入れる施設では、「どのくらいの期間がかかるのか」「どんな準備が必要か」といった疑問を抱えるケースが多く見られます。

本記事では、特定技能「介護」の基礎知識から採用手順、定着を実現するポイントまでを一連の流れで整理し、実務にそのまま活用できる形で解説します。

目次[非表示]

  1. 【この記事でわかること】
  2. 介護業界で就業可能な4つの在留資格│特定技能「介護」・技能実習・EPA・在留資格「介護」の違いを比較
    1. 特定技能「介護」
      1. 《補足》 長期定着を望むなら、特定技能「介護」 ⇒ 在留資格「介護」へ移行
    2. 技能実習(※2027年以降は「育成就労」へ移行予定)
    3. EPA(経済連携協定)
    4. 在留資格「介護」
  3. 特定技能「介護」の基礎知識  ― 対象施設・業務範囲・メリットをわかりやすく解説
    1. 特定技能「介護」の対象施設・サービスは?
      1. ▼ 訪問系サービスの解禁(2025年4月より)
    2. 特定技能「介護」で対応可能な業務範囲
    3. 特定技能「介護」の取得方法|試験・技能実習・EPAルート・養成施設ルート
      1. 【1】 試験合格ルート(最も一般的)
      2. 【2】 技能実習からの移行ルート
      3. 【3】 EPAルート
      4. 【4】 養成施設ルート
    4. 外国籍人材側のメリット・留意点
    5. 受け入れ施設側のメリット・留意点
  4. 特定技能「介護」の受け入れ要件|採用前に必ず確認
    1. 人材側の要件:試験合格または免除要件の確認
      1. ▼ 基本は「試験合格+日本語要件」
      2. ▼ 免除となるケース
      3. ▼ 採用前の確認ポイント
    2. 施設側の要件:支援体制と協議会加入
      1. ▼ 支援体制の整備
        1. ※自施設で対応する場合は…
      2. ▼ 協議会への加入
      3. ▼ 契約書・計画書の準備
    3. 法的手続き要件:在留資格申請と雇用契約
      1. ▼ 申請の流れ
      2. ▼ 外部依頼の活用
  5. 特定技能「介護」の採用の流れ|就業開始までのステップ
    1. 【1】 採用前準備
    2. 【2】 募集・選考と在留資格申請
    3. 【3】 来日前教育と来日直後の受け入れ
    4. 【4】 配置後の支援と定着のポイント
  6. 特定技能「介護」で外国籍人材を定着させるためのポイント
    1. 【1】 来日前の現場理解ギャップを減らす事前教育
    2. 【2】 初期段階のバディ制度と日本語・文化サポート
    3. 【3】 定期的な面談と生活・労務トラブルの早期対応
    4. 【4】 キャリアパス提示と長期定着への動機付け
  7. よくある質問
    1. Q. 特定技能1号と2号の違いとは? ― 介護分野の対象範囲も解説
    2. Q. 特定技能「介護」の外国籍人材は転職できる? ― 条件と注意点を解説
    3. Q. 特定技能「介護」人材は採用から入社までどれくらいかかる? ― 期間の目安を解説
  8. 特定技能「介護」導入で失敗しやすいポイント
    1. 受入れ準備を後回しにしたまま進める
    2. 支援と登録支援機関に任せきりにしてしまう
    3. 現場の理解不足や意識のズレ
  9. まとめ|採用成功のために今すぐやるべきこと
    1. 【1】まずは受け入れできるか確認する
    2. 【2】支援の進め方を決めておく
    3. 【3】現場で受け入れる準備をする
    4. 【4】来日前教育の質を見極める
    5. 【5】定着フォローの仕組みを整える
    6. 【6】導入判断に迷った場合
    7. 【7】最後に
    8. KosaidoGlobalの教育×日本人介護福祉士

【この記事でわかること】

✅介護業界で就業可能な4つの在留資格の違い

✅特定技能「介護」の業務範囲・メリットなど

✅特定技能「介護」の受け入れ要件と準備事項

✅特定技能「介護」の採用の流れ 

✅外国人介護人材の定着率を高めるポイント

※本記事では『特定技能「介護」』と『在留資格「介護」』という名称が似た制度を扱いますが、両者は在留期間や対応可能な業務範囲などが大きく異なるため、文中で明確に区別して解説します。

介護業界で就業可能な4つの在留資格│特定技能「介護」・技能実習・EPA・在留資格「介護」の違いを比較


外国籍の介護人材を採用する場合、特定技能「介護」以外にも、技能実習、EPA、在留資格「介護」など複数の在留資格が存在します。

これらの制度は、在留期間・日本語能力・対応可能な業務範囲・関与機関などの点で大きく異なるため、自施設の人材戦略に適したものを選択することが重要です。

まずは各制度の全体像を把握し、それぞれの特徴を整理して比較することで、採用後のミスマッチや運用負担の増大を防ぎ、より安定した人材活用につなげることができます。

項目

特定技能
「介護」

技能実習

EPA
(経済連携協定)

在留資格
「介護」

資格

なし

なし

(介護福祉士)

介護福祉士

在留期間

最長5年

最長5年
(2号まで)

最長4年

上限なし

日本語能力

N4~

N4~

N5~

N2~

対応可能な

業務範囲

一通りの業務
(リーダー・指導は不可)

指導前提で

段階的に対応

補助から開始し、
習熟後は一通り対応

制限なし

関与機関

登録支援機関

監理団体

JICWELS

なし

※特に混同されやすいのが『特定技能「介護」』と『在留資格「介護」』です。前者は資格不要で就労可能な制度であるのに対し、後者は介護福祉士資格が必須となる在留資格です。


特定技能「介護」


特定技能「介護」は、日本の深刻化する人手不足を背景に、2019年4月に創設された在留資格であり、介護分野に特化して外国人材の就労を認める制度です。施設にとっては慢性的な人材不足の解消手段となり、本人にとっては日本での安定した就労と生活の両立が可能になる点が特徴です。

制度は「特定技能1号」と「特定技能2号」の2区分で構成されていますが、介護分野で対象となるのは現時点では1号のみで、最長5年間の就労が認められています。また、介護特定技能評価試験や日本語試験などにより一定水準の技能・日本語能力を満たした人材が対象となるため、採用時点で基礎的な業務対応力が期待でき、転職が可能な点も含めてマッチングの柔軟性が高いことも特徴です。

一方で、在留期間には通算5年の上限があるため、中長期的な人材確保を見据える場合には、その後のキャリア設計も含めた運用が重要となります。

《補足》 長期定着を望むなら、特定技能「介護」 ⇒ 在留資格「介護」へ移行

長期的な雇用を見据える場合は、在留資格「介護」への移行などを前提とした運用設計が求められます。特定技能1号として就労しながら介護福祉士国家試験に合格することで在留資格「介護」へ移行可能となり、在留期間の制限なく長期就労・定着が期待できます。

こうした背景から、採用時点において「介護福祉士資格の取得」を見据えたキャリアパスを本人と共有することが重要です。目標を明確にすることで学習意欲の維持につながり、結果として合格率の向上にも寄与します。

また、施設側が試験対策講座の受講費補助や学習時間の確保(シフト配慮)といった支援を行うことで、資格取得の実現可能性を高めることができます。これらの取り組みは、中長期的な定着と戦力化の両立につながります。


技能実習(※2027年以降は「育成就労」へ移行予定)


技能実習は、開発途上国への技能移転を目的とした制度であり、人材育成を前提とした受け入れとなります。そのため、実習期間中は段階的な教育・指導が必要であり、即戦力ではなく育成前提での運用が基本となります。

また、実習修了後は原則帰国が前提となるため、長期的な定着を目指す場合は、特定技能への移行を見据えた設計が重要です。

なお、本制度は2027年に「育成就労」制度へ移行予定であり、制度自体の見直しが進められています。


EPA(経済連携協定)


EPAは、政府間協定に基づく受け入れ制度で、候補者は就労と研修を通じて介護福祉士資格の取得を目指す仕組みです。現在、日本はインドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国から候補者の受け入れを行っています。

ひとつの施設あたりの受け入れ人数は、1カ国につき2名以上5名以下と決められていて、限定的です。しかし、自国での候補者条件をクリアし、日本語教育や研修を受けた人材であるため、一定の活躍が見込めます。

また、介護福祉士の資格取得後は在留資格「介護」として長期就労が可能であり、これが主なキャリアパスとなります。

なお、一定条件を満たした場合には、特定技能への移行も可能です。例えば介護福祉士資格を取得できなかったものの、日本での就労継続を希望する場合などが該当します。


在留資格「介護」


在留資格「介護」は、日本の国家資格である介護福祉士を有する外国籍人材が対象となる制度であり、高い専門性と安定した在留基盤が特長です。資格取得には養成施設、実務経験、EPAのいずれのルートでも国家試験合格が必須であり、人材の質が担保されています。

業務範囲は広く、身体介護からケア計画作成まで担えるため、現場の中核人材として活用可能です。

また在留期間に上限がなく更新により長期就労や永住も視野に入るため、定着性にも優れています。一方で、資格取得者に限定されるため採用難易度が高く、計画的な人材確保が求められます。

特定技能「介護」の基礎知識  ― 対象施設・業務範囲・メリットをわかりやすく解説


前述のとおり、介護分野で外国籍人材を受け入れる方法はいくつかありますが、その中でも特定技能「介護」は、即戦力人材の確保と柔軟な採用が可能な制度として、多くの施設で活用が進んでいます。

特定技能「介護」は、外国人介護人材の就労を認める在留資格の一つであり、一定の技能水準と日本語能力を満たした人材が対象となります。

制度を正しく理解しないまま導入を進めると、ミスマッチや運用負担につながる可能性があるため、ここでは制度の取得方法や業務範囲、活用メリットについて整理して解説します。


特定技能「介護」の対象施設・サービスは?


特定技能「介護」の対象となるのは、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホームなど介護サービスを直接提供する「介護施設」です。一方で、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、外部の介護サービスを利用する「住居」であるため、原則対象外です。

▼ 訪問系サービスの解禁(2025年4月より)

特定技能「介護」では、これまで訪問系サービスは対象外でしたが、2025年4月の制度改正により、一定の要件のもと正式に従事が認められました。

ただし、訪問系サービスに従事する場合は、
 ◎介護職員初任者研修の修了
 ◎JLPT(日本語能力試験)N4以上、または国際交流基金日本語基礎テストの合格
 ◎原則1年以上の実務経験
 ◎事前研修や同行訪問などの実施
など、施設介護に比べて追加要件や受け入れ体制の整備が求められます。

※訪問介護に関してまとめたコラムもご一読ください。


特定技能「介護」で対応可能な業務範囲


特定技能「介護」で働く人材は、入浴・排泄・食事などの身体介護を中心とした介護業務に従事することが可能です。加えて、レクリエーションの実施や記録業務など、施設運営に付随する業務にも幅広く関わることができます。

一方で、ケアプランの作成や最終的な意思決定を伴う相談援助業務など、介護福祉士等の有資格者が担うべき業務については、単独での対応は認められていません。

そのため、実務においては、日本人職員や有資格者の指導のもとで業務を行い、現場に慣れながら段階的に担当範囲を広げていく体制を整えることが重要です。特に受け入れ初期は、ペア配置やOJTを通じた教育を行うケースが一般的です。


特定技能「介護」の取得方法|試験・技能実習・EPAルート・養成施設ルート


外国籍人材が特定技能「介護」を取得する方法は、大きく分けていくつかのルートがあります。

【1】 試験合格ルート(最も一般的)

最も一般的なのは、国内外で実施される
 介護特定技能評価試験(技能評価試験および日本語評価試験)
  並びに
 ◎日本語試験(国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上)
 に合格するルートです。

介護特定技能評価試験は、日本国内に加えて東南アジアなどの指定国でも実施されており、現地で合格した人材を採用できる点が特徴です。

【2】 技能実習からの移行ルート

介護分野の「技能実習2号」を良好に修了した人材については、試験が免除されるケースがあります。この場合、介護技能評価試験および日本語能力試験が免除されるため、技能実習から特定技能1号への移行がスムーズに進みやすいのがメリットです。

なお、現在の技能実習制度は、2027年を目途に「育成就労」制度への移行が予定されており、人材育成と就労をより一体的に行う制度へと見直しが進められています。今後は、特定技能への移行ルートとしても、この育成就労からの流れが主流になる可能性があります。

【3】 EPAルート

EPA(経済連携協定)に基づく介護福祉士候補者として在留期間(最長4年間)を満了し、適切に就労・研修に従事した人材については、介護技能・日本語能力の両面で一定の水準を満たしているとみなされ、条件によっては特定技能の試験が免除される場合があります。すでに日本の介護現場での実務経験を有している点が特徴です。

【4】 養成施設ルート

介護福祉士養成施設(専門学校・大学など)を修了した人材についても、条件を満たすことで試験免除の対象となる場合があります。

ただし、養成施設の修了のみで特定技能の要件をすべて満たすわけではなく、日本語水準や在留資格に関する要件の確認が別途必要になる点には注意が必要です。


外国籍人材側のメリット・留意点


メリットは、最長5年間の安定した就労機会が確保される点と、日本人と同等以上の報酬・労働条件が義務付けられている点です。また、転職が可能であるため、自身に合った職場を選択できる柔軟性もあります。将来的には、介護福祉士資格の取得により在留資格「介護」へ移行可能であり、長期的な就労につなげることも可能です。

留意点としては、日本語能力や専門的な介護知識の習得が必要であることに加え、身体介護・夜勤等への適応が求められる点が挙げられます。また、文化・生活習慣の違いによるストレスや、職場・地域社会への適応に時間を要するケースもあります。


受け入れ施設側のメリット・留意点


メリットは、介護業界の深刻な人手不足の緩和に加え、比較的安定的に人材を確保できる点です。特に日本人職員の採用が難しい地域における重要な戦力となります。

留意点としては、紹介会社に支払う採用費用や、登録支援機関への委託費用、支援義務に伴う運用負担が挙げられます。自社で支援を行う場合は、生活支援・相談対応・各種手続きに相応の工数が必要となります。

加えて、日本語能力や文化的背景の違いによるコミュニケーション課題も生じる可能性があります。こうした対応が不十分な場合、早期離職リスクにつながるため、受け入れ初期からの教育・フォロー体制の整備が重要です。

特定技能「介護」の受け入れ要件|採用前に必ず確認


特定技能「介護」で外国籍人材を受け入れるには、人材側の適性・施設側の体制・法的手続きという3つの要件をクリアする必要があります。どれか一つでも欠けると採用は進みません。

採用を検討する段階で、3つの要件を自施設に当てはめて確認することで、現実的な採用スケジュールや必要な準備が見えてきます。


人材側の要件:試験合格または免除要件の確認


▼ 基本は「試験合格+日本語要件」

特定技能「介護」として働くには、申請時点で以下のいずれかを満たしている必要があります。

最も一般的なのは、介護特定技能評価試験(技能評価試験+介護日本語評価試験)への合格です。この試験は、介護の基本的な知識と技能を測るもので、実技試験と筆記試験で構成されています。試験は日本国内だけでなく、ベトナム、フィリピン、インドネシア、タイ、ミャンマー、スリランカ、カンボジア、ネパール、モンゴル、バングラデシュなど複数の国で実施されており、候補者は母国で受験することが可能です。

また、日本語能力については、JLPT N4以上(または同等の日本語試験)への合格も必要です。N4は日常会話や簡単な業務指示が理解できるレベルとされており、介護現場では実務上も重要な基準です。

▼ 免除となるケース

ただし、技能実習「介護」を良好に修了した人材は、技能評価試験および日本語試験が免除されます。技能実習を3年以上修了した人材は実務経験を有しているため、特定技能1号への移行がスムーズです。

また、EPA経由で来日した人材については、介護福祉士国家試験に合格した場合は在留資格「介護」へ移行するのが基本です。一方で、不合格であっても一定条件を満たす場合には特定技能へ移行できるケースがあり、その場合は試験免除となることがあります。

▼ 採用前の確認ポイント

採用候補者がどの要件を満たしているのかは、人材紹介会社や登録支援機関への確認が重要です。試験合格証明書・日本語能力試験の成績表・技能実習修了証などの必要書類を事前に揃えておくことで、在留資格申請がスムーズになります。


施設側の要件:支援体制と協議会加入


▼ 支援体制の整備

特定技能「介護」の受け入れ施設には、法律で定められた支援義務があります。これを満たすために、登録支援機関の活用または自施設での支援体制の構築が必要です。

特定技能1号では、生活相談・日本語学習支援・健康管理など支援計画に基づく支援が義務付けられています(義務的支援10項目)。これを自施設の職員だけで対応するのは難しいため、多くの施設は登録支援機関に委託しています。費用は月額3〜5万円程度が一般的です。

※自施設で対応する場合は…

一方、自施設で支援体制を構築する場合は、専任職員の配置や支援計画の作成・実行が必要になります。日本語教育や生活支援の知見が必要となるため、人材確保と教育が課題です。

▼ 協議会への加入

介護分野特定技能協議会への加入は必須要件です。
現在は原則として、在留資格申請前に加入(入会証明書の取得)が必要です。
情報共有やトラブル事例の共有が行われ、加入手続きは比較的簡単で、費用(入会費・年会費等)はかかりません。

▼ 契約書・計画書の準備

特定技能1号人材を雇用する際は、雇用契約書と支援計画書の作成が必須です。給与や労働条件は日本人と同等以上とし、支援計画書には10項目の支援内容を具体的に記載します。事前に雛形を準備しておくとスムーズです。


法的手続き要件:在留資格申請と雇用契約


▼ 申請の流れ

最初のステップは、在留資格認定証明書交付申請(海外人材の場合)または在留資格変更許可申請(国内人材の場合)です。施設側が出入国在留管理庁に申請し、必要な許可を取得します。

必要書類には、試験合格証明書・日本語試験の成績表・雇用契約書・支援計画書のほか、会社情報や各種誓約書などが含まれます。申請から許可までは通常1〜3か月程度です。

海外から受け入れる場合は、その後、候補者が自国の日本大使館でビザ申請を行い、日本に入国します。一方、国内在留者の場合はビザ申請は不要で、在留資格変更後に就労開始となります。

ただし、書類を提出すればすぐに許可が下りるわけではありません。審査期間は管轄入管(東京・大阪など)や時期によって大きく変動し、書類不備や追加提出がある場合はさらに長期化する可能性があります。そのため、入国予定日から逆算した余裕のあるスケジュール管理が不可欠です。

※在留資格認定証明書交付申請(COE申請)を詳しく取り上げたコラムは下記になります。

▼ 外部依頼の活用

申請書類の作成は複雑なため、多くの施設では行政書士や登録支援機関に依頼します。費用は5〜15万円程度が目安ですが、依頼する在留資格の種類や申請内容の複雑さによって変動するため、事前に見積もりを確認することが重要です。

特定技能「介護」の採用の流れ|就業開始までのステップ


特定技能「介護」で人材を受け入れるには、採用決定から就業開始までに複数のステップを踏む必要があります。各段階での対応事項を整理しておくことで、スケジュール管理の最適化手続き漏れの防止につながります。本稿では、採用前準備から配置後の継続支援までの4フェーズに分けて解説します。


【1】 採用前準備


まず、登録支援機関へ委託するか自施設で支援体制を構築するかの判断を行います。登録支援機関を利用する場合は、複数社の見積もりと支援内容の比較が重要です。

次に、介護分野特定技能協議会への加入手続き(必須要件)を行います。申請から加入完了まで一定期間を要するため、採用活動と並行または事前に実施するとスムーズです。

あわせて、雇用契約書および支援計画書のひな形準備を行い、日本人職員との均等待遇の担保ができるよう給与規程や労働条件を整理します。

採用前準備の期間は、通常2〜4週間程度を見込むと現実的です。


【2】 募集・選考と在留資格申請


人材紹介会社等を通じて候補者募集を開始します。書類選考通過者に対しては、オンライン面接等で適性やコミュニケーション能力の確認を行います。

この段階で、仕事内容・給与・生活環境を丁寧に説明することが、ミスマッチ防止と定着率向上に直結します。

採用予定者が決定したら、在留資格認定証明書(COE)の交付申請または在留資格変更申請を行います。行政書士や登録支援機関への外部委託も一般的です。申請から許可までは通常1〜3カ月程度を要します。

この期間を活用し、来日前教育の実施(日本語・業務理解)を進めることで、来日後の早期立ち上がりが期待できます。


【3】 来日前教育と来日直後の受け入れ


在留資格認定証明書の交付後、本人は日本大使館・領事館でビザ申請を行います。発給までには、早ければ5営業日程度で発給されるケースもありますが、実務上は1〜2週間(混雑状況や確認事項によっては2〜4週間程度)を見込むのが一般的です。

この期間は来日前教育の最終段階として、
 ◎介護現場の業務理解
 ◎実践的な日本語
 ◎日本の生活ルール・文化
を重点的に実施します。

また、職場紹介動画や業務映像の共有により、入職後のギャップ軽減が可能です。あわせて、この期間に入社予定企業と継続的にコミュニケーションを取ることで、不安の軽減や信頼関係の構築にもつながります。

来日当日は、空港送迎・住居案内・生活支援を行います。来日直後は疲労が大きいため、無理のないスケジュール設計が重要です。

来日後1週間以内を目安に、施設見学およびオリエンテーションを実施し、
 ◎業務内容・勤務条件
 ◎給与・福利厚生
 ◎ルール
を明確にします。


【4】 配置後の支援と定着のポイント


就業開始後は、最初の1〜3カ月の支援が定着に大きく影響します。バディ制度等を活用し、業務指導と相談体制を構築しましょう。 

また、施設または登録支援機関が、3カ月に1回以上の定期面談および随時面談を実施し、 
 ◎業務課題 
 ◎生活面の問題 
 ◎日本語習得状況 
を確認します。 

小さな不満の蓄積は早期離職につながる可能性があるため、早期対応が重要です。   

また、人材が職場に慣れてきた段階で、キャリアパスの提示(在留資格「介護」への移行など)を行うことで、中長期的な就労意欲の向上につながります。 

採用前準備から就業開始までは3〜4カ月程度が一つの目安とされますが、在留資格申請の審査状況や書類不備、追加提出の有無によっては大きく前後する可能性があります。 

また、定着までの期間も人材の経験や日本語能力、受け入れ体制によって大きく異なります。

特定技能「介護」で外国籍人材を定着させるためのポイント


外国籍介護人材の早期離職は、採用や配置までのプロセスだけでは防ぎきれません。特に、就業開始後の数か月間の関わり方が、その後の長期定着を大きく左右します。本稿では、離職リスクを低減するための4つの対策を整理します。


【1】 来日前の現場理解ギャップを減らす事前教育


外国籍人材が来日後に直面しやすいのが、「介護業務の実態」と「来日前のイメージとのギャップ」です。

来日前教育では、介護のやりがいだけでなく、身体的負担や感情労働といった現実的な側面も含めたバランスの良い説明が重要です。

また、施設側からも以下の情報を積極的に提供すると効果的です。
 ◎職場の様子(動画・写真)
 ◎具体的な業務内容
 ◎先輩職員の声
 ◎給与・福利厚生の詳細

これにより、来日後の認識相違や不満の発生を抑えることができます。


【2】 初期段階のバディ制度と日本語・文化サポート


入社から3カ月程度は、最も不安やストレスが高まりやすい時期です。この期間の支援体制が不十分だと、孤立感や不信感が蓄積し、早期離職につながる可能性が高まります。

バディ制度(先輩職員とのペアリング)は、業務指導と心理的支援の両面で有効です。バディは、業務手順だけでなく、現場特有の暗黙知やコミュニケーションの取り方も含めて丁寧に伝える役割を担います。

あわせて、日本語能力の向上支援や文化適応支援も継続的に行うことが重要です。特に、介護現場で頻出する専門用語や声かけ表現については、計画的に習得できる仕組みを設けると効果的です。

なお、バディ担当者には、シフト調整や業務負荷の軽減などの労務面の配慮が必要です。


【3】 定期的な面談と生活・労務トラブルの早期対応


定期的な面談は、定着支援の重要な取り組みです。法令上は3カ月に1回以上の面談実施(義務)が求められていますが、実務上は月1回程度の実施とすることで、より高い効果が期待できます。

面談では、以下の観点を幅広く確認します。
 ◎業務上の悩みや不安
 ◎生活環境に関する課題
 ◎職場の人間関係
 ◎日本語学習の状況

シフトの不公平感などの小さな不満でも、放置すると信頼低下を招き、離職につながることがあります。課題の早期把握と迅速な対応が重要です。

また、面談記録を残し、対応履歴と改善状況を管理することで、トラブルの再発防止にもつながります。


【4】 キャリアパス提示と長期定着への動機付け


人材が職場に慣れてきた段階で、将来的なキャリアパスを明確に提示することは、定着促進に大きく寄与します。

特に、在留資格「介護」への移行可能性の提示は有効です。在留資格「介護」は、介護福祉士資格の取得を前提とし、在留期間の制限がなく、家族帯同も可能になります。

施設としては、以下のような支援策を提示すると効果的です。
 ◎介護福祉士試験に向けた学習支援
 ◎日本語能力向上支援
 ◎昇進・昇格のモデル提示(リーダー職・指導職など)
将来の見通しが明確になることで、「この職場で働き続ける価値」の具体化につながり、長期定着を促進します。

よくある質問


ここまで制度の基礎から採用フロー、定着支援まで解説してきましたが、実際の運用段階では、多くの施設から共通した質問が寄せられます。上段の章でも一部触れていますが、重要なポイントとして改めて整理します。採用前に不安や疑問を整理しておくことで、意思決定と準備をスムーズに進めることができます。


Q. 特定技能1号と2号の違いとは? ― 介護分野の対象範囲も解説


特定技能1号は、在留期間が通算で最大5年とされており、就労には技能試験および日本語試験の合格が必要です。

一方、特定技能2号は、熟練した技能を持つ人材向けの在留資格で、在留期間の更新に上限がなく、家族帯同も可能です。

ただし、介護分野では現時点(2026年時点)で特定技能2号は対象外となっています。

そのため、介護分野において長期就労を目指す場合は、特定技能1号から在留資格「介護」(介護福祉士取得)への移行が現実的なキャリアパスとなります。


Q. 特定技能「介護」の外国籍人材は転職できる? ― 条件と注意点を解説


はい、可能です。特定技能1号の外国籍人材は、同一分野内(介護分野)に限り転職が認められています。

ただし、転職先の受入機関が制度上の要件を満たしていることが前提となり、在留資格に関する手続きや登録支援機関の変更手続きなどが必要になります。そのため、転職完了までには数カ月程度を要するケースが一般的です。

なお、原則として分野をまたぐ転職はできませんが、他分野の技能試験にも合格している場合には、在留資格変更申請を行うことで別分野へ移行できるケースもあります。

施設側として重要なのは、転職が可能な制度であることを前提に運用することです。給与水準、教育体制、バディ制度、生活支援の充実が、定着・離職防止に直結します。


Q. 特定技能「介護」人材は採用から入社までどれくらいかかる? ― 期間の目安を解説


就業開始までの期間は、候補者が国内在住か海外在住かによって異なります。

まず、国内在住者(すでに日本に在留している場合)は、在留資格の変更または所属機関変更の手続きを行います。通常、手続き完了から入社までは1〜2カ月程度が目安です。

一方、海外在住者の場合は、在留資格認定証明書(COE)の申請・交付、査証(ビザ)取得、来日準備が必要となるため、3〜4カ月程度を見込むのが一般的です。

ただし、申請時期の混雑状況・出身国・本人の状況(現職の契約や技能実習の満了時期など)によって大きく前後するため、個別にスケジュールを確認することが重要です。

特定技能「介護」導入で失敗しやすいポイント


外国籍人材の採用は、制度の複雑さと現場運用とのギャップが大きく、準備段階での判断ミスが後のトラブルにつながりやすい分野です。つまずきやすいポイントをあらかじめ把握しておくことで、採用から受け入れまでスムーズに進めることができます。


受入れ準備を後回しにしたまま進める


多くの施設では、試験合格者の確保に意識が向き、受入れ機関側の準備が後手に回りがちです。

登録支援体制(登録支援機関への委託または自社支援のいずれかの体制確保)や協議会への加入状況は、在留資格申請時の許可要件として審査される重要事項です。そのため、「候補者が決まってから準備する」という進め方では、スケジュールに余裕がなくなり、受け入れ遅延のリスクがあります。

採用判断に入る前に、以下の点を整理しておくことが重要です。
 ◎登録支援機関との契約可否や自社における支援体制
 ◎協議会への加入手続きの進捗
 ◎現場の受け入れ体制(バディ制度、日本語学習機会の確保など)
など

これらを事前に整えておくことで、候補者決定後の手続きが円滑に進みます。


支援と登録支援機関に任せきりにしてしまう


採用決定時に支援計画を作成していても、実際の運用では登録支援機関に任せきり(いわゆる丸投げ)になってしまうケースも少なくありません。

登録支援機関に支援業務を委託すること自体は可能ですが、受入れ機関としての責任がなくなるわけではありません。そのため、運用を任せきりにしてしまうと、支援内容の把握が不十分となり、生活トラブルや労務対応の遅れ、外国籍人材本人にとって相談先が分からない状態を招くリスクがあります。

導入前に、支援計画に基づく各項目について、
 ◎誰が
 ◎どのタイミングで
 ◎どの頻度で実施するのか
を明確にし、書面で整理しておくことが重要です。

特に、施設側がどの役割を担うのかを明確にすることが重要であり、施設長・現場責任者・人事担当者の間で役割分担を共有しておくことが、トラブル防止につながります。


現場の理解不足や意識のズレ


現場職員の理解不足や意識のズレは、導入後の大きな課題の一つです。

「なぜ外国籍人材を受け入れるのか」「どのような配慮や支援が必要か」といった基本的な認識が共有されないまま配置を行うと、既存職員の負担感や外国籍職員の孤立につながりやすくなります。

受け入れ前には、現場向けの説明会や勉強会を実施し、以下の点を共有することが重要です。
 ◎受け入れの背景と目的
 ◎期待される役割
 ◎必要なサポート内容

特にバディ担当者に対しては、個別研修を通じて人材の背景や日本語レベル、習熟スピードへの理解を深めることが望ましいです。

まとめ|採用成功のために今すぐやるべきこと


特定技能「介護」の採用は、制度理解と現場運用の両立なくしては成功しません。本記事では、受入要件、採用フロー、定着のポイント、失敗事例を整理してきました。ここからは、実際に動き出すための具体的なアクションを示します。


【1】まずは受け入れできるか確認する


まず最初に取り組むべきは、自施設が受け入れ可能かの確認です。採用検討の段階で、登録支援機関との契約可否や協議会加入の状況を把握し、必要な手続きと準備負荷を見極めておくことが重要です。


【2】支援の進め方を決めておく


次に、支援体制の具体化を行います。支援計画に基づく各支援内容について、「誰が・いつ・どの程度実施するのか」の明確化を行い、委託範囲と自施設対応の切り分けを整理します。事前に書面化することで、運用段階での混乱を防ぐことができます。


【3】現場で受け入れる準備をする


現場の受け入れ準備も並行して進める必要があります。バディ担当職員への事前研修や、現場全体への説明・認識共有を通じて、外国籍人材受け入れの目的とサポート方法を浸透させることが重要です。現場の理解度は定着率に直結します。


【4】来日前教育の質を見極める


採用候補者の選定段階では、来日前教育の質の見極めが重要です。紹介会社や送出機関の教育体制を確認し、候補者が介護の基礎をどれくらい理解できているか、日本語でのコミュニケーション力をどの程度身に着けているのかをチェックします。この判断が、入社後の立ち上がりと定着に大きく影響します。


【5】定着フォローの仕組みを整える


定着管理の仕組みは、採用と同時に設計することが不可欠です。法定の定期面談(3カ月に1回以上)に加え、実務上は月1回程度のフォローを行い、入社後1カ月・3カ月・6カ月といった節目で課題を把握する体制を整えます。早期把握と対応が長期定着につながります。


【6】導入判断に迷った場合


特定技能「介護」の導入可否や適切なスケジュールは、施設の体制や採用方針によって大きく異なります。自施設の状況に応じた整理を行ったうえで判断することが重要です。


【7】最後に


外国籍人材の採用は、単なる人員補充ではなく、受け入れ体制とマネジメントの見直しを伴う取り組みです。準備段階での精度が、定着率とサービス品質に直結します。本記事の内容を踏まえ、具体的なアクションへの着手につなげてください。

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