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特定技能・技能実習における「送り出し機関」の役割と法的注意点

深刻化する国内の人手不足を解消するため、外国籍人材の活用は企業にとって不可欠な戦略となっています。特に「特定技能制度」「技能実習制度」は、企業が外国籍人材を迎えるための主要な柱です。

しかし、彼らを国外から迎える際には、母国での募集・教育を担う「送り出し機関」の存在が重要です。この機関の質が、採用の成否と人材の定着に大きく関わります。

本コラムでは、採用プロセスで重要な役割を果たす送り出し機関の具体的な役割、特定技能と技能実習における立ち位置の違い、そしてトラブルなく人材を迎えるための適切な選び方を解説します。

送り出し機関とは?

具体的な役割と仕事内容

1. 求人募集と募集情報の収集

登録支援機関や人材採用を見込んでいる企業や団体と連携し、日本側の需要や求人内容に基づき、現地で募集活動を行います。

2. 労働者の選定と資格確認

応募者の資格や技能、健康状態を審査します。また、日本の入国資格やビザの取得に必要な手続きを支援します。

3. 仲介・斡旋と契約の仲介

労働者と日本の受け入れ企業間の契約や条件の調整を行います。

4. 渡航準備と出立支援

労働者に対して渡航に必要な手続きやオリエンテーションを実施します。ビザや渡航チケットの手配なども行います。

重要なポイント

法的枠組み

送り出し機関は、日本の出入国管理法や労働関連法を遵守しなければなりません。また、適正な手数料設定や労働者保護を確保する必要があります。

資格認定

日本政府や各種団体により、登録や認証制度が設けられており、正規の送り出し機関はそれに従います。送り出し機関を選定する上で重要なポイントとなっており、日本政府が認定している各国の送り出し機関リストは以下にて確認することができます。

(参照)外国人技能実習機構│外国政府認定送出機関一覧

特定技能と技能実習における送り出し機関の立ち位置の違い

特定技能

原則送り出し機関の利用は必須ではありませんが、二国間協定(※1)の締結内容に基づき、送り出し機関の利用が義務付けられている場合があります。(※2)

(※1)
二国間協定は以下の16カ国と締結されています。
フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、スリランカ、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、ウズベキスタン、パキスタン、タイ、インド、ラオス、マレーシア、キルギス

(※2)
送り出し機関の利用が義務付けられている国は以下の4カ国です。
ベトナム、ミャンマー、フィリピン、カンボジア

技能実習

原則、送り出し機関の利用が必須となります。

技能実習生の受け入れには、2つのタイプがあります。

 企業単独型…日本の企業が海外の現地法人や合弁企業、取引先企業の常勤職員を直接受け入れるもの
 団体管理型…事業協同組合等の中小企業団体、商工会議所、商工会等が受入れ団体(第一次受入れ機関)となって実習生を受入れ、傘下の中小企業(=受入れ企業、第二次受入れ機関)において技能実習を実施するもの

 現在では、ほとんどの場合が団体管理型による受け入れとなっており、その場合は送り出し機関の利用が必須となっています。

(参照)厚生労働省│企業単独型と団体管理型の比較

どうして違いがあるのか

この違いは、制度の目的に基づいています。特定技能は日本の人手不足解消を目的とした制度で、企業と外国籍人材の直接雇用を基本としているものに対し、技能実習は自国への技能移転を目的とした在留資格であり、実習生の適切な保護の観点から送り出し機関の利用が必須となっています。

※在留資格「特定技能」と「技能実習」の違いについては、過去コラムをお読みください。

送り出し機関の選び方

1. 政府認定機関であるか確認する

送り出し国の政府が定めた条件をクリアし、適正な業務遂行が認められている機関です。認定機関は、法令遵守や教育体制が整っているため、違法行為やトラブルのリスクを軽減できます。認定機関の一覧は、外国人技能実習機構のウェブサイトなどで確認できます。

2. 実績や紹介数、教育体制を確認する

豊富な紹介実績や、自社が求める人材を育成できる教育体制を持っているか確認しましょう。入国前教育の内容や、日本語能力のレベル、教育を担う担当者の資格なども重要な要素です。

3. 担当者の日本語能力とコミュニケーション能力を見る

担当者との円滑なコミュニケーションは、トラブル防止に不可欠です。日本語能力が高く、信頼関係を築ける担当者であるかを見極めましょう。

4. 費用の透明性を確認する

どのような費用が必要か、事前に明確な説明があるか確認しましょう。後から不当な追加費用を請求されるリスクを避けるため、契約書の内容を十分に確認し、不明点は解消してください。

5. 日本国内のサポート体制を確認する

日本に駐在事務所があるかどうかは、入国後のサポート体制を測る重要な指標です。駐在事務所があれば、日本語での連絡や交渉がスムーズに行え、問題発生時にも迅速な対応が期待できます。また、外国人側も母国語で相談できるため安心できます。

6. 過去のトラブル履歴を確認する

不適切な送り出し機関は、高額な請求やフォロー不足といったリスクを抱えています。違法行為やトラブルの履歴がないか、事前に確認することも重要です。

まとめ

国外から外国籍人材を採用する際には、送り出し機関が重要な役割を担います。前述した通り、国によっては送り出し機関の利用の必須となる国もあり慎重に選ぶ必要があります。送り出し機関は、現地での人材募集・選定から渡航準備、労働契約の仲介まで担うため、政府認定の正規機関であるか、教育体制や実績が豊富か、費用の透明性があるかなど、本コラムで解説した選び方を参考にしていただき、適切な機関を選定することが極めて重要です。

送り出し機関の適切な選定と連携は、法令遵守のもとで外国人材の長期的な活躍と定着を実現するための第一歩となります。

 

KosaidoGlobalは東証プライム上場企業である広済堂グループが提供する、外国人労働者の人材紹介サービス・登録支援機関です。アジア11カ国の送り出し機関と提携し、日本国内の企業様に「特定技能」「技人国」を中心とした優秀な人材をご紹介するとともに、人材の活躍や定着に向けた手厚いフォローも提供します。

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