導入事例

有限会社マミーホーム

宮城県の東部に位置し、日本三景の一つとして有名な松島と、地域の漁業の中心として栄える塩釜。地元の高齢者福祉を支える介護施設では、外国籍人材たちが欠かすことのできない存在となっています。
彼らの採用を始めたきっかけや定着・活躍を実現するための取り組みを同社の代表取締役と部長に伺いました。
また、それぞれの施設で活躍する外国籍人材たちは、現時点の率直な思いやこれからの目標について話してくれました。

かつてホテルだった建物を活用した施設

有限会社マミーホーム
〒981-0213 宮城県宮城郡松島町松島字東浜4
〇分野【介護】

有限会社マミーホームは、宮城県東部の松島町や塩竃市で介護事業を展開する企業です。設立から20年以上になる『デイサービス松島マミーホーム』では、松島温泉の源泉かけ流しやピアノ伴奏による音楽療法など、多岐にわたるサービスを提供。他にも『グループホーム梅の宮マミー』や『マミーホーム高齢者住宅』といった様々なタイプの施設を運営しています。

※取材日:2025年12月某日

アドバイスをいただいたんです。「先を見ないと。日本人かどうか、こだわる必要ありますか?」

――現在、貴社に在籍する外国籍人材の人数を教えてください。

代表取締役:ミャンマー出身の特定技能人材が7名在籍しています。

――外国籍人材採用を検討し始めたきっかけについてお聞かせください。

代表取締役:求人を出すと日本人の応募は来ていたのですが、なかなか採用に至る方がいませんでした。実のところ、当社は長らく外国籍人材の採用を検討していなかったんです。

部長:でも、研修の一環で他社様の施設を訪問したときに、考えが変わりました。その施設ではインドネシア出身の方がスタッフとして働いていました。施設長の方にお話を伺ったところ、アドバイスをいただいたんです。「先を見ないと。日本人かどうか、こだわる必要ありますか?外国籍人材は採用から入社まで長い時間を要するし、早く動いた方がいいですよ」って。

実際、その施設で働いていたインドネシア出身のスタッフは、日本人スタッフと何ら遜色のない働きぶりでしたし、同僚の日本人スタッフも「一生懸命、働いてくれるんですよ」と好意的に話されていました。その経験が大きなきっかけとなりました。

やさしい時間が流れるワークスペース

――それでは、候補者である外国籍人材を選考する際に、重視していることがあればお聞かせください。

部長:やはり「日本語能力」でしょうか。実際の介護現場で指導することを考慮すると、最低限の日本語能力を備えていることは必要です。外国籍人材の採用を何度か経験すると、「この程度の日本語力が備わっていないと、入社後に日本人スタッフが困ってしまう」というレベル感がわかってきます。日本語能力試験(JLPT)でN3を取得しているかどうかは、ひとつの目安です。

代表取締役:私は、表情や話し方、質問に対する答え方に注目しています。人柄がにじみ出るんですよね。それに、私たちの質問に対して、「本音で話してくれているかどうか」。包み隠さず、正直な気持ちを話してほしいと考えているからです。

部長:一度に何名か面接をすると、最初の質問に対する回答が皆同じになることがあります。(笑)やはり事前に答えを用意してきたのかな、と感じてしまいます。しかし、過去には日本語の歌を歌ってインパクトを残した応募者もいました。「合格したい」「日本で働きたい」という熱意が伝わったのを覚えています。

――合格するために自分なりに工夫をして面接に臨んだ人材は、印象に残りやすい。それは日本人の採用面接であっても、外国人の採用面接であっても、大きく変わらないのですね。

部長:そうかもしれません。

――採用にあたり、外国籍人材の紹介会社を利用した感想をお聞かせください。

代表取締役:紹介会社や登録支援機関の存在は、本当に大事だと思います。数多くの会社がある中で、広済堂ビジネスサポートさんにお願いしたのは、担当者の方がすごく良くしてくれたから。正直に申し上げると、広済堂ビジネスサポートさんを選んだというより、「この担当者の方にお願いしたい」と思って選ばせていただきました。(笑)

部長:やっぱり、「人」なんですよね。

数十名の利用者様がレクリエーションを楽しむことも

――担当者に伝えておきます。(笑) 続いて、採用した外国籍人材の仕事ぶりはいかがですか?

部長:徐々に日本語に慣れていくと、担当できる業務も増えていきます。入社から半年以上経過したスタッフは、今ではこの施設になくてはならない存在になっています。

代表取締役:施設に往診に来られる医者や看護師の対応もしてくれるようになりました。電話の対応も問題ありません。

部長:やはり「日本語を理解できているかどうか」が重要で、そこを見ながら、任せる業務を決めています。

代表取締役:スタッフによって三者三様ですね。人によって、成長のペースは異なります。

外国籍人材の採用を強化したことで、日本人スタッフが退職しなくなったのです。

――外国籍人材定着のために企業として取り組んでいることをお聞かせください。

部長:宮城県より外国人材向け日本語講座実施事業支援対策企業に選定され、現在は週に2回ほど夜19時~21時に日本語の講師に来ていただいています。ただ、日本語を教えていただく、というよりは、日本独自の職場文化やマナーなどの教育をお願いしています。講師の方には「皆さん、レベルが高くて素晴らしいですね」とお褒めの言葉をいただくと、こちらも嬉しくなります。

代表取締役:介護福祉士の資格試験勉強の一環として、月に一回、過去問題を使ったテストを実施しています。どうしてこの答えになったのか、間違えた理由もしっかりとチェックしてあげるように心がけています。現時点の自分の実力を意識させることが大事です。

部長:日本語能力試験(JLPT)でN2を持っていても、簡単には解けない。介護福祉士の資格試験は、それほど難しいんですよね。

代表取締役:また、当社では社員のクラブ活動があり、外国人スタッフも参加しています。ベンチプレス部のマネージャーをやっている子もいますし、歌がうまい子は音楽部に入りました。

部長:レクリエーションで利用者様から「歌って」とリクエストを受けたりしますよね。特技がある子は、それを仕事にも生かして活躍してくれます。

――在籍する外国籍人材に今後、期待することをお聞かせください。

代表取締役:特定技能1号の在留期間は、最長5年間です。その間に、介護福祉士の資格を取得して、是非在留資格「介護」に移行してほしい。あとは、彼らと長いお付き合いをしたいですね。たとえ、彼らがミャンマーに帰国してしまったとしても。

――たとえば、貴社で勤務経験のあるスタッフが帰国後、現地で介護専門学校を開校し、そこで育成した人材が貴社に入社する。そのような協力関係が構築できるかもしれませんね。

部長:それ、すごくいいですね!(笑)実際にこの施設で働いていたスタッフが教育してくれた人材なら、間違いなく活躍してくれると思います。

施設の前には松島の美しい景観が広がる

――外国籍人材のさらなる採用について展望があればお聞かせください。

代表取締役:現在、当社の人材は充足していますが、先を見越して採用活動は継続する予定です。外国籍人材は、採用してから入社まで半年から8カ月くらいはかかりますよね。今後、日本人スタッフの中に定年退職者が出るタイミングなどを見計らって、採用していくことになるでしょう。外国人スタッフが急に転職してしまう可能性もあります。また、優秀な人材と出会えるかどうかは、タイミングにもよります。ですから、定期的に現地を訪問するなどして、継続的に採用活動をしなければいけないと感じています。

――他社様では、ひとつの国に偏って採用することにリスクを覚えて、様々な国の人材を採用しようと計画する動きもあります。

代表取締役:宮城県内でも、各施設の様々な採用戦略を耳にします。たとえば、ベトナム人材に限って採用する方針の施設があったり、ベトナム人材に加えてインドネシア人材の採用を始めた施設があったり。方針はそれぞれだと思います。

当社は外国人採用を始めるにあたって、フィリピン、インドネシア、ベトナムといった様々な国を訪問しました。そして、最終的にミャンマー出身の人材を採用することに決めました。真面目で優しく、ずっと活躍してくれるような印象を抱いたからです。ただ、今後ベトナムや他の国の人材を採用する可能性は否定しません。人材次第だと思います。

――日本人採用との兼ね合いもあるのでしょうか。

代表取締役:先ほどお話したベトナム人材に限って採用する方針の施設では、今後日本人の採用は検討していないそうです。しかし当社は、今後余裕のある採用により、日本人、外国人問わず、優秀な人材の採用を行っていきます。

年々、日本人の新卒採用が難しくなってきています。でも長い目で見たときに、他の介護施設で働いた経験がなく、イチから当社で育成したスタッフの方が職場環境に適応しやすく、活躍しやすい印象があります。そういう背景から、今後は外国籍人材の採用が欠かせません。

部長:私たちも彼らを「イチから育てるやりがいや楽しさ」のようなものを感じています。皆、素直で良い子たちなんです。

代表取締役:それと、実は外国籍人材の採用を強化したことで、日本人スタッフが退職しなくなったのです。

――それはなぜですか?

代表取締役:日本人スタッフは外国人スタッフと言葉の壁こそあるものの、真摯に仕事に打ち込む姿を見て、指導するやりがいを感じています。チームとしての連携も強化され、それぞれの責任ある仕事をやり遂げることができます。

また外国人スタッフが成長して対応できる仕事が増えたことで、日本人スタッフには余裕が生まれて、今まで以上に色々な仕事ができるようになりました。日本人スタッフと外国人スタッフが共存することで、良い体制が築けているのです。

釣りクラブなどクラブ活動による社員交流が盛んに行われている

――外国籍人材はもはや欠かせない存在ですね。

代表取締役:介護業界は特殊で、介護報酬は国が定めていますから、食料品などと違って、急に値上げすることはできない。一方で、物価上昇や勤続年数を鑑みて、社員の給与は上げていかないといけない。そのような背景からも、外国人スタッフはこの業界で欠かせない存在になるのではないでしょうか。今後は、優秀な外国籍人材の取り合いになるでしょう。日本国内の企業同士、という意味だけでなく、他国との競争、という意味でも。

――外国籍人材の採用を検討している企業に対して、何かアドバイスをいただけますでしょうか?

代表取締役:私は、外国人スタッフを自分の子どものように考えています。自然と情が入ってしまうんです。それは、当社の外国人スタッフが皆、ミャンマー出身で、国の情勢などを知っているからかもしれません。だから当社としては、採用前にご家族にも直接お会いして、「大事に育てます。ご安心してください」とご挨拶しています。当社ほどミャンマーを訪問している企業はそういないと思います。(笑)でも、色々考えるとそうなるんです。

部長:採用に際して、直接会うことって、本当に大事です。面接が終わった後、プレッシャーから解放されたときにこぼれた笑顔を見ると、その子の人柄が垣間見えて、入社後のイメージをより明確にすることができたりもします。

代表取締役:家族と離れて来日する彼らは、寂しい気持ちになることもあるでしょう。そんな中で必死に働いて、貰った給与の大半を現地のご家族に送金している。そういう彼らを大事に見守る「まごころ」が採用する側には必要なのだと思います。

部長:外国籍人材の採用を検討しているなら、早く動き出した方がいいと思います。迷っている暇はないのではないでしょうか。早めに一歩を踏み出された方がいいですよ。

【特定技能人材の声】

アウンさん
〇国籍:ミャンマー
〇入社:2025年1月

――日本の環境や職場には慣れましたか?

アウンさん(以下、省略):入社して1年が経ったので、大分慣れました。

――現在は、どのような仕事を担当していますか?

送迎、入浴介助、排泄介助、レクリエーション、清掃などを担当しています。

――職場に慣れるために工夫していることがあれば教えてください。

分からないことがあれば、すぐに先輩に聞くようにしています。

――来日するときはどのような不安や心配がありましたか?

不安なことは特にありませんでした。

――現在、抱える他の悩みや心配事があれば、教えてください。(仕事でも私生活でも構わないです)

現在、抱えている悩みや心配事は特にありませんが、日々の業務でミスが起きないよう常に心がけて仕事に取り組んでいます。

――今後の目標を教えてください。

もっと日本語を上達させたいです。記録表や送迎表、利用者様のお名前などを読めるようになりたいと思っています。

ラインさん
〇国籍:ミャンマー
〇入社:2025年1月

――日本の環境や職場には慣れましたか?

ラインさん(以下、省略):最初は慣れないことも多くありましたが、入社して1年が経ち、日本の生活や職場の環境にも少しずつ慣れてきました。周りの方々に助けていただきながら、安心して働けるようになってきたと感じています。

――現在は、どのような仕事を担当していますか?

利用者様や往診の対応はもちろん、電話対応や議事録など最近は担当できる業務が増えてきました。

――職場に慣れるために工夫していることがあれば教えてください。

指示されたことは必ずメモをして、あとで再度確認するように心がけています。

――来日するときはどのような不安や心配がありましたか?

日本語でちゃんとやり取りができるか、日本の寒さに慣れることができるか、この2つが特に心配でした。

――その不安や心配はどのように解消しましたか?

日本語については、日々勉強だと思っています。

――今後の目標を教えてください。

今後は日本語をもっと上達させて、利用者の皆さんに安心してご利用いただけるような、よりよい介護ができるようになりたいです。また、仕事の知識や技術をさらに深めて、職場で信頼される存在になりたいと考えています。

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